掛け時計専門店|掛け時計ワールドのブログ

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振り子時計の存在価値

   

今日の掛け時計の主流は振り子の無いタイプ。

昔の機械式振り子時計のイメージがあるのか、「コチ・コチ・コチ」と振り子が揺れるたびに
聞こえてくるあの音がうるさく感じられるというのも、振り子時計が敬遠される一つの理由なのかも
知れません。

ただ現在の振り子時計はほとんどがクォーツをムーブメントに使用しており、クォーツが稼働する
機械音がかすかに(それも直接、機械に耳をつけたりした場合)聞こえる程度で、振り子の
振れる音はほとんどしなくなっています。

耳障りな機械式振り子時計の音ですが、振り子は規則正しく時を刻むための大きな役割を担っており、例えば時間が遅れたり、すすみすぎる場合は振り子の下のネジで調整するようになっています。

この原理を証明したのはかのガリレオ・ガリレイで「同じ重りとヒモの長さであれば、揺れ幅の大小の関係なく、振り子が一往復する時間は同じ」という法則として有名です。

先に述べたように、現在の振り子時計のムーブメントはクォーツが主流で、振り子は単なる飾りとしてついているものがほとんど。
大半は電磁石で振り子が動いていますが、皮肉なことに振り子を動かすための消費電力が、時計を動かす心臓部であるクォーツの消費電力よりはるかに大きいのです。
そのため振り子駆動と時計駆動の電池が別々に(つまり2本)ついているタイプもあります。

つまり、現在の振り子時計は振り子が止まっていても時計は動いているのです。

「なーんだ、単なる飾りかよ」と思われるかもしれませんが、振り子にはメンタルな側面があるように私には思われます。

ゆっくり規則正しく揺れる振り子をボーッとみていると、頭の中が空っぽになり、緊張がほぐれていくような気がします。

それとともに、普段意識しない「刻(とき)」の1秒1秒が過ぎゆく流れを感じるのは私だけでしょうか。

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