掛け時計専門店|掛け時計ワールドのブログ

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クォーツとは

   

もう一般名詞として何の気にも留めず使っている「クォーツ」

日時計から始まり、ゼンマイ、おもりなどの機械式時計、トランジスターなどを経てたどり着いた時計の動力装置として、恐らく将来も長く使われ続けていくほど素晴らしい発明です。

その仕組みはどうなっているのでしょうか。

時計の世界でクォーツといえば「水晶振動子の性質を用いた動力源」を意味します。

時計のムーブメントは一定のリズム(1秒を基本とする)を保って動き続けることが求められます。

リズムが狂えば正確な時間を計れないので、ここは譲れないところです。

わかりやすく言えば、振り子時計の振り子は左右に振れる時間が1秒であることが理想であり、機械式時計のメーカーは懸命に1秒に近づけるために努力してきましたが、それでも狂いは皆無にはできません。
(手巻きや自動巻きなどの機械式腕時計は非常に高価で、機械も複雑で高価なものですが、実はその価格の大半はフレームに使用されている装飾や宝石、材質に費やされ、機械の精度は必ずしも価格に比例していません)

クォーツの原理とは乱暴に要約すると「水晶の結晶に電圧を加える(電界を印加する)と変形がおこり、規則正しい固有振動が生まれ、その振動を時間の測定に利用したもの」が定義。

このクォーツ、最初に着目したのはあのキュリー夫人の夫、ピェール・キュリーでした(1880年)。

1920年代になると実用化が始まりましたが、当初のクォーツ時計はタンスほどもある大きさで、大変高価でした。

実は、クォーツの世界的な普及に関しては日本のセイコーが大きな役割を果たしています。
というのも、50年代後半からクォーツ時計の開発に乗り出した同社は、1969年、世界初のクォーツ腕時計「アストロン」を発売。その後も改良を加え続け、70年代になるとセイコーは特許を公開し、世界各国のメーカーがクォーツの製造に参入、従来の機械式に代わって市場を独占して「クォーツショック」と呼ばれる現象を引き起こしました。

今では、百均で売られているような超安価な時計にも使われているクォーツ(水晶振動子の代わりに、安価なセラミック発振子が使用されている場合もあります)

誰もが正確な時間を手に入れられる、ということは素晴らしいことですが、その普及にはセイコーのおかげが影響大だったんですね。

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